γ線測定器の性能を向上させる目的で,10x10x30mmの大きさのシンチレータ
LEC3M101030
を株式会社リーディングエッジアルゴリズム購入した。 (5900円/個) さらに面積1cm2のフォトダイオードS3590-08をデジットで9660円で購入した。
この2つの主要部品を使い,チャージアンプは今までと同じ物を使い,性能がどの程度向上するのか試した。
1.製作 |
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![]() フォトダイオードS3590-08 |
![]() シンチレータ LEC3M101030 |
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2.性能ベクモニで測定したマントル(エネルギー校正用試料),減塩塩「やさしお」,セシウム汚染土,バックグランドを測定し性能を確認した。まず低エネルギーの分解能が向上し,338keVのピークがはっきりした。また今までノイズに埋もれていた77keVのX線が測定できるまでローノイズ化した。 |
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大型のシンチレーターに変えたことによって,計数率が向上すると考えた。またフォトダイオードの面積が増大した事で,入射光量が増大するので,S/N比が向上すると予想した。そこで以前製作した測定器と性能を比較した。比べたのは1ccのシンチレータとS6675を4つ使ったセンサーNO.1,1ccのシンチレーターとフォトダイオードS6775を組み合わせたセンサーNO.2と今回製作したセンサーNO.3である。比較のために10分間ランタン用マントル,及びバックグランドを測定した。 | |||||||||||||||||||||
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次の表はランタン用マントルを測定し,表のエネルギー範囲,ピークのカウント数を比較した |
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上のグラフは測定器のゲインを比較するために,ランタン用マントルのスペクトルを表示した。NO.3のゲインがNO.1の2倍ある。ゲインが上がったことで結局S/N比が向上し,X線のピークが検出可能になった。 表2のバックグランドのcpmを見るとNO.1とNO2がほぼ同じで,シンチレータの体積が3倍のNO.3は約3倍になっている。バックグランドを発生させる放射線源は色々な方向より飛び込んでくる。従って面積が3倍になれば計数率は3倍になると考えれば納得できる。 特定の方向においた放射線源からのγ線を計数する場合,シンチレーターに入射する確率はシンチレータの大きさと形状に関係するはずである。線源が点線源である場合,γ線は球面状に放射するので,シンチレータとの距離の二乗に反比例して計数率は減少するはずである。そこでNO.3のシンチレータは10x10x30mmであり方向により計数率が変化すると予想できる。シンチレータを縦に線源(汚染土を入れた密閉容器)に置いた場合と,横に置いた場合とでどう変わるかスペクトルを測定した。 |
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測定脚気は予想どおりであった。わずかに横に置いた方が計数率が高くなっていることがわかる。
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セシウムのピーク使って半値幅を測定した。 ΔE=55keV E=798keV 半値幅=6.9% であった。 |
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3.検出効率 測定器の効率を見積もるために,やさしおのカリウム40のγ線を測定した。やさしお180g中にカリウムを49.7g含んでいる。カリウム40の放射能は1gあたり30Bqとなる。ただし90%がβ崩壊,10%がγ崩壊する。この装置はシンチレータによるγ線測定器であるので,理論上1gのカリウムは3Bqと測定されるはずである。 |
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上の図の赤の部分がネットのカウントで,95keV〜1639keVのエネルギー範囲でネットの値は1.29cpsとなった。やさしお180gは理論上149cpsとなる。従って全γ線の0.87%を検出したことになる。
つづく |
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