ゲルマラジオと高校物理(3)

 

3 ゲルマラジオの実験回路

  ブレッドボードでゲルマラジオを組み立てた。一般的にゲルマラジオは検波出力をレシーバー(クリスタルイヤホン)に直接接続し無電源のラジオであるが,聞こえる音声は,周囲の騒音を小さくして,やっと,かすかに聞こえる程度の大きさだ。そこでレシーバの代わりに,ICによる低周波増幅回路とスピーカで置き換えた。ICにより音声信号は100倍に増幅される。  図5の実態図で示した回路を使い,ゲルマニウムダイオードやアンテナを接続する場所により,感度や選択度がどのように変化するか確認することにした。  利用したアンテナコイルはSL-50GT。コイルの1−2間にバリコンを接続するのは共通である。何通りかのバリエーションを選び特性を評価した。

 実験回路図のRは10kΩ,Cは0.022μFである。Rはアンプの入力インピーダンスである。  アンテナとダイオードの接続を次の@〜Dまで変えて放送がどのように聞こえるか実験した。

注意点 
・アンテナは5mぐらいのビニール線,地面に対して垂直になるように2階の窓から垂らした。
 ・アースがないと受信出来ない。人体で触る事である程度アースの代用ができる。
 ゲルマラジオとする場合,@の回路が最も感度が高い。増幅器を使わず,クリスタルイヤフォンを接続してラジオを聞く場合もっとも現実的である。ただしNHK第1と第2は混信するが,バリコンの位置でどちらかの音声が大きく聞こえるようになるので,放送内容を聞き取ることは出来る。  その他の接続は,放送局に近い電界強度の高い場所での接続方法である。栃木県ではこの接続で5m程度のアンテナの場合,増幅しない限り聞き取れないと思われる。

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